白銀の、鋭利な月明かり エピローグ・5「思いの行く先」![]() コンラート: では、明日の決戦に向けて慌しい本陣の中、あてがわられた部隊をまとめ山の方に移動しようとコンラート君はがんばってる 08:14 コンラート: 「武器に食料に・・・よし、これでいいかな」 08:15 コンラート: 「では出発します!」各小隊長に呼びかける感じで本陣から出て行く 08:15 コンラート: 馬に乗ってぱっこぱっこ、後ろに部隊がざっくざっく 08:15 GM: ざっくざっく 08:16 クロイツ: しばらく進むと木々の間で月明かりに照らされた赤い姿がちらりと見えるにちがいない、 08:16 コンラート: まあまて 08:16 クロイツ: まってよう、 08:16 コンラート: もうすこしだ、すぐに赤いのが見えてくる 08:16 クロイツ: なんかぐろい、 08:16 コンラート: 吸血鬼の街を迂回するように、ぐるっと山の方へ 08:16 コンラート: ぱっこぱっこ、ざっくざっく 08:16 クロイツ: まあまて、 08:16 クロイツ: 迂回するまえだ、 08:16 コンラート: まあまて 08:16 コンラート: もうすこしだ、すぐに赤いのが見えてくる 08:16 クロイツ: るーぷってこわくね、 08:17 コンラート: 吸血鬼の街を迂回しようと、少し行った所で 08:17 コンラート: 月明かりの夜にたたずむ、その城壁が遠く目に入る 08:18 コンラート: コンラートにとって、存在が理解できない街、本来対立するはずの吸血鬼と人が共存している街 08:18 コンラート: ふと 08:18 コンラート: 「・・・」 08:19 コンラート: 「・・・すみません、何人か・・・そうですね、貴方達ついてきてくれますか」小隊5人くらいに向かって 08:20 GM: 「了解です」と若い人たち数人―、 08:20 GM: てくてく、 08:21 コンラート: 「では残りは、副官の指揮に従って指定の場所まで移動を続けてください」 08:22 コンラート: 「それでは」 08:22 コンラート: 若い人たち数人を連れて 08:22 GM: では君は部隊から離れる―、 08:22 コンラート: 吸血鬼の街、その近くまで移動していく 08:23 コンラート: ただ敵に見つからないよう、森の中を馬で静かに、 08:23 コンラート: ぱっこぱっこ 08:23 GM: ひっそりひっそり 08:24 コンラート: 「・・・」 08:24 コンラート: 先ほどより近くに見える、それでもまだ遠い吸血鬼の城壁を前にして、コンラートの顔には何も浮かばない 08:25 コンラート: ただただ、視点を一箇所に見ている 08:26 コンラート: 足はそのまま進み、ふと、その視界の端に何か赤いのが映った 08:26 コンラート: 「・・・?」 08:26 GM: 縄は既に解かれている赤いの、額のあたりに何か黒い物がある 08:27 クロイツ: 身を地面に横たえ、体の力は完全に抜けている。 08:27 クロイツ: 身じろぎすらせず、目を閉じている…眠っているのかもしれないし、死んでいるようにも見える 08:27 クロイツ: 体は傷だらけで、赤い服装のところどころが、じんわりと濃い色をにじませ、乾いた部分は黒く変色している。 08:27 コンラート: 「・・・なっ」 08:28 コンラート: 驚いた顔を見せたものの、それは全体の動きにはつながらず、コンラートはゆっくりと馬を下りて赤いのに近づく 08:29 クロイツ: 強い月明かりと木の影にまだらにてらされ、表情は見えない 08:29 コンラート: 「・・・貴方達は、少し辺りの様子を見ていてもらえますか」ついてきた若い人達に 08:29 GM: 了解して見張りにうつる兵士たち、 コンラート: すたすたすた、とその顔が見える場所にまで近づく 08:30 コンラート: おそらく上から見下ろす感じに 08:31 クロイツ: 目をとじて微かに眉をしかめたような表情だ、眠っているようにもみえるが・・・・ 08:31 クロイツ: 額に黒いインクで「赤」とかかれている。 08:31 コンラート: 「・・・」 08:31 クロイツ: すぐ横には輪になったロープの束と、 08:31 クロイツ: 固そうな丸パンが転がっている。 08:32 コンラート: ロープと丸パンと額と順番に視線をうつし、最後に顔全体を見て 08:32 コンラート: 「・・・何をしているんですか、貴方は」 08:32 クロイツ: 「……」 08:32 クロイツ: ゆっくり目を薄くあける、 08:32 クロイツ: 「…………あれ…」 08:32 クロイツ: 「まだ………生きてたんですね…僕」 08:32 クロイツ: ごほ、と軽く咳き込む 08:33 コンラート: 呆れたような、怒っているような、それよりも冷徹さが勝るような、そんな表情のコンラートがいる 08:33 コンラート: 「・・・はぁ」ため息 08:33 クロイツ: 咳で体が揺れ、顔を薄くしかめる、 08:33 コンラート: 「どうしたというのです、その傷は」 08:33 コンラート: しゃがんで赤魔の傷を診ようとするがいいのかなー 08:34 クロイツ: いいよー 08:34 コンラート: じゃあ診るぞー 08:34 GM: HP0くらい。 08:34 クロイツ: 見るとかなりのキズだが、ほとんどが魔法のものだ 08:34 クロイツ: 切り裂かれた風ではある。 08:34 コンラート: 「・・・これは・・・」ひどい傷だ、そんな顔でフレーバー手当て 08:34 コンラート: 服やぶったりびりびりー包帯まきまき 08:35 クロイツ: 「ちょっとややこしいんですがね…」 08:35 クロイツ: 「侯爵との戦いの時、魔法使いが…逃げたじゃないですか」 08:35 クロイツ: 「キズ自体は彼に…やられたものです」 08:35 コンラート: 「ええ、いましたね」 08:35 クロイツ: 「僕らが戻ると、彼がアビスを奪いにきたもので…ね」 08:36 コンラート: 「アビス・・・!」 08:36 コンラート: 包帯まきまき 08:36 クロイツ: 「…」その名の呼びように、どんな感情がこもっているのか、 08:36 クロイツ: そんな目でちらっとみる 08:37 クロイツ: 「…安心してください、彼は守られましたよ、仲間達の手によって」 08:37 クロイツ: 息をつく、 08:37 コンラート: 怒っているのか、悲しんでいるのか、好奇心もあるのか、でもやっぱり冷たい、そんな顔 08:38 コンラート: 「・・・そうですか・・・そうでしょうね」 08:38 コンラート: 少し吐き捨てるように言う 08:38 クロイツ: 「……」目を細める、 08:39 クロイツ: 「はは、コンラート君でもつれていけばまだ手はありましたか…ね」」 08:39 コンラート: 「・・・手はあった?」 08:39 クロイツ: 「……」 08:39 コンラート: 「無事守ったのではないのですか?」 08:39 クロイツ: 「お忘れになりましたか」 08:40 クロイツ: 「僕はこの街が嫌いだと」 08:40 コンラート: 「・・・ああ、そうでしたね」 08:40 クロイツ: 「魔術師はロゼくんと因縁がある様子でね」 08:41 クロイツ: 「彼と対峙している間に僕は」 08:41 クロイツ: 「アビスを襲った」 コンラート: 「・・・」 08:42 クロイツ: 「…あと一歩の手が足りず」 08:42 クロイツ: 「殺しきることは出来なかった」 08:42 クロイツ: 「三つどもえの戦いは結局仲間達の勝利となり」 08:42 クロイツ: 「仲間達は郷へ」 08:43 クロイツ: 「魔術師は去り…」 08:43 クロイツ: 「僕はここで死を迎えるばかり、と」 08:43 クロイツ: 口元だけで微笑む 08:43 コンラート: 「・・・滑稽ですね」 08:43 クロイツ: 「そうでしょう」 08:43 コンラート: 手は止まることなく手当て中 08:44 コンラート: 「クロイツさん」 08:44 コンラート: 「貴方は一体何がしたかったんですか」 08:44 クロイツ: 「……」 08:45 クロイツ: 「……目的は沢山ありました」 08:45 クロイツ: 「侯爵を倒す事もその一つ」 08:45 クロイツ: 「…アビスを殺す事も、その一つ」 08:45 クロイツ: 目を閉じる、 08:46 コンラート: 「目的がそれだけだと言うのなら」 08:46 コンラート: 「神殿に応じ、裏工作なり何なり、貴方ならもっとやるでしょう」 08:47 クロイツ: 「ハハ、いろいろこれでもしたんです…よ」 08:47 クロイツ: 「最後の最後で…」 08:47 クロイツ: 「頭に血が上ってしまったことは否めませんが」 08:47 クロイツ: 「休戦ときいて、このまま…」 08:47 クロイツ: 「この街がこのままになるのかと…思ったら」 08:47 クロイツ: 咳き込む、 08:48 コンラート: 「・・・ふぅ」手当てが終わり、クロイツさんの顔に視線を向ける 08:48 コンラート: 「明日」 08:48 コンラート: 「神殿軍はあの街に総攻撃を仕掛けます」 08:48 クロイツ: 「………休戦の話は?」 08:48 コンラート: 「・・・」 08:49 クロイツ: 「…もしかして早とちりですかね」 08:49 コンラート: 「原因は貴方にもあるようですがね・・・」 08:49 コンラート: 「まあそれよりもメイターさんが・・・」どうしようもねえ野郎だアイツ、そんな顔 08:50 クロイツ: 「はは、そうですか…しかし、明日…か」 08:50 コンラート: 「いえ、その話はまあいいでしょう。ええ、明日です」 08:51 クロイツ: 「一日おいてしまえば…逃げることは容易くなるでしょうけど…」 08:51 クロイツ: 「………それも承知の上で?」 08:51 コンラート: 「むしろそうするため、だそうですよ」吐き捨てるように 08:51 クロイツ: 「………」 08:52 コンラート: 「全てメイターさんの指示です」 08:52 クロイツ: 「まったく…極端ですねえ、メイターは」 08:52 クロイツ: ゆるゆると、体をおこそうとする 08:52 コンラート: 「・・・」 08:52 クロイツ: 「少し前までは、怖いから皆殺しだ、なんていってたのに」 08:52 クロイツ: 「今度は全員にがそうとは」 08:53 クロイツ: 「まあ、そもそも向いてないんでしょう…ね」 08:53 クロイツ: 起きあがり体をひきずって木にもたれよう 08:53 コンラート: 「・・・でしょうね」立ち上がり、視線を吸血鬼の街に向ける 08:53 クロイツ: 「目的の話でしたっけ」 08:53 コンラート: 「・・・ええ」 08:54 クロイツ: 「一つはあの」 08:54 クロイツ: 「とても指揮官なんてガラじゃないメイターの戦いを終わらせること」 08:54 クロイツ: 「もう一つは…復讐」 08:55 コンラート: 「・・・復讐?」少し驚いた顔で 08:55 クロイツ: 軽く、首をすくめる 08:55 クロイツ: 「ええ」 08:55 クロイツ: 「一度お話しましたよね」 08:55 クロイツ: 「あの街で安穏と暮らす人々、あの街の平和、あの街の下には…」 08:56 クロイツ: 「その為に殺し尽くされた、自由が眠っている…と」 08:56 コンラート: 「・・・その話はセシリアさんからも聞きました」こくりと頷く 08:56 クロイツ: 「あの街のシステム、吸血鬼の生態からして」 08:56 クロイツ: 「良くできている、といえるでしょう」 08:57 クロイツ: 「だからこそ」 08:57 クロイツ: 「あの街がある限り」 08:57 クロイツ: 「アビスがいる限り」 08:57 クロイツ: 「けして、止まれない」 08:58 コンラート: 「止まれない、というのは」 08:58 クロイツ: 「自由を殺し続けることを、 08:59 クロイツ: 「それに正当性を持ち続けることを、 08:59 クロイツ: 「人々がそれから目を反らし続けることを 08:59 クロイツ: 「誰も、やめられない」 08:59 コンラート: 「・・・」 08:59 クロイツ: 「…」 09:00 クロイツ: コンラート君の目を見る、 09:00 クロイツ: いままではどこか虚ろだった目に、怒りにもにた光が燃えている 09:00 クロイツ: 「僕はそれを許せなかった」 09:01 コンラート: その言葉を聞き、目を直視するのに耐えられなくなったのか、少し瞼を閉じ、顔を横に向ける 09:02 コンラート: 「・・・」吸血鬼の街に視線を移して黙っている 09:02 クロイツ: 「……」 09:02 クロイツ: こちらも顔をそらす、 09:03 コンラート: 「クロイツさん」 09:03 クロイツ: 「…」 09:03 クロイツ: 視線だけ向ける 09:04 コンラート: 「貴方から見て、あの街の住人は・・・幸せそうでしたか」視線は街に向けたまま 09:04 クロイツ: 「……」 09:04 クロイツ: 泣きそうに、顔をゆがめる 09:04 クロイツ: 「…ええ」 09:05 クロイツ: 「誰もが己の幸せを、疑っていなかった」 09:05 クロイツ: 「…少しでもそれを疑えば」 09:05 クロイツ: 「あの街にはいられない」 09:05 コンラート: 「・・・そうですか」街に向けた視線も、表情も変わらぬまま答える 09:05 クロイツ: 「きっと恐れ、逃げ出すしかない」 09:06 クロイツ: 「そして、夢から覚めた者は」 09:06 クロイツ: 「喰らわれるしかない」 09:06 コンラート: 「・・・」クロイツさんに視線を戻す 09:06 クロイツ: 胸に手を当てる 09:06 クロイツ: 体を丸め、なにかに耐えるようにうつむく 09:07 コンラート: 「・・・貴方も、そんな顔をするんですね」 09:07 クロイツ: 「………」 09:07 クロイツ: 微かに、笑ってみせる 09:08 コンラート: 「・・・」クロイツさんの顔から視線をずらし、大きく息を吐く 09:09 クロイツ: 「………」 09:10 クロイツ: 「結局の所…」 09:10 クロイツ: 「戦いは終わらず…街もそのまま…か」 09:10 クロイツ: 「バカですねえ…僕」 09:10 クロイツ: 額に手をあてて、息を吐く 09:12 コンラート: 「・・・復讐、か」一人呟くように 09:13 クロイツ: 「………」 09:13 クロイツ: ふと、腕をあげてぐっぱ 09:13 クロイツ: 「…流石にすぐには…無理か」 09:15 コンラート: 「・・・それだけの怪我を負って、まだやりますか」 09:15 クロイツ: 「…」 09:15 クロイツ: 「僕もまた、今更止まれないんですよ」 09:16 クロイツ: 「…多くを犠牲にした身ですから、ね」 09:16 コンラート: 「・・・僕達は、明日戦うだけです」 09:16 クロイツ: 「ええ」 09:16 コンラート: 「貴方が言う自由がどういったものかは知りませんが」 09:17 コンラート: 「貴方は、それを貫くのでしょうね」 09:17 クロイツ: 「………」 09:17 クロイツ: 目を細め、笑う 09:18 コンラート: その顔を確認して 09:18 コンラート: 「・・・思ったより時間を取ってしまいました、僕もそろそろ行かなければ」 09:19 クロイツ: 「ええ」 クロイツ: 「…ありがとうございます」包帯まかれた腕を軽く上げる 09:21 コンラート: 「結構な傷です、出来れば安静に」くるっと振り返り去って行こうとする 09:21 コンラート: 「あっと、そうだ」 09:21 コンラート: 「最後に一つ」 09:21 コンラート: 「アビスとは、どんな人物なのでしょうか」 09:22 クロイツ: 「…」 09:22 クロイツ: 「この街を愛し、己のやっていたことについて、悲しみと矛盾を抱く…」 09:22 クロイツ: 「…ただの、子供でしたよ」 09:22 コンラート: 「・・・」 09:22 クロイツ: 目を閉じる 09:23 コンラート: 「・・・分かりました」 クロイツ: 「おっと、意気をそいでしまいましたかね」笑う、いつもの赤魔のように 09:23 コンラート: 「・・・ふふっ」 09:23 コンラート: 「それでは、僕は行きます」 09:23 クロイツ: 「ええ」 09:23 クロイツ: 「それでは」 09:24 クロイツ: 木の根本にすわったまま腕を上げる、 09:24 コンラート: 「余り会いたくはありませんが、またいつの日か」 09:24 クロイツ: 「ええ、また…いずれ」 09:24 コンラート: 馬に乗り森の向うへと去っていく 09:25 コンラート: その途中で、ふと立ち止まり 09:25 クロイツ: それをみおくり、腕をぱたんとおとして、木にもたれかかる 09:25 コンラート: クロイツさんにも聞こえるくらいの声で、見えるくらいの場所で 09:25 コンラート: 「有難うございます、クロイツさん」あっちを向いたまま 09:26 コンラート: そして言った瞬間に駆けていった 09:26 クロイツ: おや、と顔を向け、見えなくなるのをみとどける、 09:26 クロイツ: そして木にもたれたまま、空を見上げて 09:27 クロイツ: 月を見つめる 09:27 クロイツ: −−−−−−−−−−−−−シーン終了 09:28 クロイツ: といったところでひとまずおつかれさまでした 09:28 コンラート: おつかれさまでしたー! |